手術当日③
「いつこさーん終わりましたよー」
と肩をトントン。何度か呼ばれたんだと思います。
もう終わった?とボーッとしながら
「息吸ってくださーい、息吸ってー」
と言われているのを、なんとなく聞いて、息をしようと吸うのですが、息が入ってこない感じ!苦しくて、浅くハァハァしながら、苦しぃ〜息が出来ない〜
「ゆっくり、ゆーっくり、胸膨らませるように吸ってー」と聞いてとにかく吸う!何度か繰り返すうちに落ち着きました。
いつの間に管も抜かれています。
マスクをされていて、苦しいから外してーと思っていました。
前後を覚えていませんが、確か呼吸が落ち着いた頃、
「せーのっ!」
という掛け声で、ベッドに移されました。移されたベッドは、後で気づきましたが病室で私が使っていたもの。ドサッという感じで、結構乱暴…私がデカ重いせいか。
担当医の声が左側から聞こえて、
「終わりましたよ、病棟もどりますね」
先生だぁ〜と、まだ頭もボーッとして目もはっきり開けられないまま、ガタガタと病棟リカバリー室へ向かう。
いつの間にエレベーターで病棟まで来ていて、
「いっちゃん!」「ママ来たよ!ママだよ!」
妹の声しか聞こえなかったと思う。子どもの声はわからなかった。
私 は声がした右側に薄眼で目線をむけるのが精一杯。ベッドは止まる事無く、
「無事終わりました。後ほどご説明します」
先生の声。
そのままリカバリー室へ。
担当看護師さんが、酸素マスクつけたり、痛みや苦しいところがないか聞きながら、両足ふくらはぎに血栓予防のフットポンプを巻きつけ、抗生剤と水分補給の点滴始める。
尿意があって訴えると、尿管が入ってるからそのまま出して良いという…けど出せないと言ったら、出ているから問題ないと。
いつの間に垂れ流してた
この尿菅の感覚に慣れるのに時間はかかりませんでした。
だんだん、自分の格好や部屋の様子がわかってきて、ベッド横のテーブルに、手術前に看護師さんに預けた袋が置いてあるのを確認できた。
すごく暑くて、掛けられた肌掛けを剥いでもらうよう頼むと、とても簡単な膝丈位の術衣なのか?前が簡単にはだける感じ、下半身はT字帯だけで、何も履いていない感覚。
それでも構わないから!と頼む程暑かったけど、大事な部分は隠そうね、と掛けられた。
腰があまりにも痛くて仰向けから横向きたいけど、右腹から管が出ていてビビり、どう動いて良いかわからない。何か血液が混ざった液体が出ていて袋に溜まっている。
横向きになりたい と言うと、回復早くする為にもどんどん動いて!と 動き方を教えてもらう。
向きたい方のベッド手すりに捕まり、少しずつ腰ずらして横向きに。お腹の管は多少長さがあり引っ張られる心配は無いけれど気になるし、両足のポンプが重いし邪魔だし、思ったように動けず辛い。
傷の痛みより、不自由な身の周りと腰の痛みがとにかく辛かった。
「身の置き所がないよね!」
と、看護師さんの言葉! そのとーーり︎!
そんなこんなで先生とダンナが来た。
やはり、ダンナからねぎらいの言葉はない。
先生「頑張りましたね!手術は問題なく無事終わってご家族に説明しました。今晩はここで管理していきますね!お疲れ様でした」
私「先生も大変だったと思います。本当にありがとうございました」
もっと色々聞きたかったけど、声が思うようにだせず、諦める。
先生が去ってしまって、ダンナに子どもがどうしていたか聞いた。
ダンナ「待ち疲れてるに決まってるじゃん、長く居られないから、妹と代わる…」←めっちゃ早口
私「その前に腰を少し押してぇ〜…」か細く頼むが、行ってしまった。
いつか仕返ししてやる!
代わって妹が泣きそうにならながら来て、ねぎらってくれた。手術時間も予定より早かった事、取った子宮、卵巣を見せてもらった事、子どもは途中寝てしまったが、エレベーター前で戻った私を迎え、先生の話も一緒に聞いた事を教えてもらった。
看護師さんに 「そろそろいつこさん休ませましょう」 と促され、「ママ大丈夫だからね」 と子どもに伝えるよう頼んで、預けた鍵とスマホと目薬を枕元に置いてもらって去っていった。
この時、もう夕方4時半をまわっていました。
待っている方はかなりしんどいのだと思います。当の本人は、寝ている間のあっという間の事なのですけど。
手術台に横になってからここまで、本当に早かった。麻酔ってすごい!
家族が帰っても腰痛が治まらず、お腹の管を気にしながら何度も右向き左向き。お腹に力入れると、少し痛い感じが。
頼んで腰を支える枕を置いてもらったりしたけど、かえって動きにくくて結局外したり。
ここまで色々喋っていたけれど、麻酔のせいか、痰が絡んだ感じと喉の渇きで思うように声が出せず、水を飲みたかったけれど水分を摂れないので、寝たまま吸い飲みで水を含ませてもらって、うがいだけして顔を横へ向け受け皿へ吐き出す事を何度か。
この時お腹に力入れないように、小さい咳を繰り返すと痰が出やすいです。
口の中、喉が渇いているのを実感すると同時にすっきりしますよ。本当は口に含んだときに飲んでしまいたいのですが、我慢我慢。
麻酔の副作用で、術後に吐き気がある方も多いようですが、私は全く問題ありませんでした。
当然夕食はなくて、廊下で配膳している様子や、看護師さんが夜勤勤務の人に交代していたり、消灯時間までは時間の感覚はありました。
何度か検温と血圧計測に来ましたが、おそらく夜中、血圧が下がり、上が75とかで、体温が37度少し越えていて、気分が悪くないかとか とか聞かれたけど、何の自覚症状なく、何もせず様子見。
リカバリー室には、私の他、向かい側に一人いて、その人のイビキとオナラがすごくて…うるさいというより、寝られて、お腹もスッキリしていそうで羨ましかったです。
手術の際お腹を膨らませる為にガスを入れているので、胃の圧迫感とお腹の張った感じが苦しいというか。
オナラをしようとしてもお腹にチカラを入れると傷が痛くてタイミングを逃してしまう。朝になってようやく出せた感じでした。
結局この晩腰痛が和らぐ事無く、2〜3時間寝られたかな、程度でした
翌朝の様子、スマホで自撮り
血栓予防靴下(弾性ストッキング)の上からフットポンプしてます。
右足先の穴から親指が出てしまっていて、気持ち悪かったけど、これっぽっちの事で看護師さん呼ぶのが申し訳なくそのままに…笑